20th cent. Scandinavian design
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13th floorの



TERRA

今回はStig Lindberg手がけた作品の中でも、特に入手の難しいことで知られる「Terra」
SienaやBodegaと同じ、2色のラインだけでデコレーションされたシンプルなデザインのシリーズです。
さわやかな配色のシリーズが並ぶ中、Terraは黒とブラウンで構成されたシックで、落ち着きとどこか懐かしさを覚える異色のシリーズとなっています。
「Terra」という名前も思わせぶりです。

行き届いたラインナップの中でも一番よく見かけるコーヒーカップ&ソーサーだけを見ていると、ADAMやSPISA-RIBBでお馴染みのLIモデルのバリエーションと簡単に考えてしまいがちです。
しかしながら、その他のアイテムへ広げてよーく見てみると、なかなか奥の深い世界が広がっています。
またまた今回も細かい話になりますが、最後までどうぞお付き合いください。




cup & saucer

 

   


個性的な役者ぞろいのLIのコーヒーカップの中で、キリリと締まったTerraのデザインは目を引きます。
カップのデコレーションがソーサーに写りこんだような配置でラインが引かれています。
2色の配置が整理されていて、間からのぞく白い線が効果的に働いて、黒塗りのわりに重い感じはありません。
このカップ&ソーサーのイメージがこれまでもたれてきたTerraの姿だと思います。








Plates




面白いことに、TerraのプレートはSienaと同じLU モデルのプレートが採用されています。
平らなラインの部分から自然にカーブしてくぼみ、プレートの中心部分は平坦です。
個人的には、カップ&ソーサーと同じLIモデルの直線的なラインのプレートにTerraのシャープなラインがひかれた姿も見てみたい気がします。
また、サイズによってラインの太さが占める割合が異なり、単なるスケールアップ・ダウンではなく、それぞれをデザインされているようです。
白の面積が広がった分、黒と白のコントラストがはっきりと出て、ぐっと引き締まった印象を持ちます。







soup bowl

次にスープボウルをみてみます。
こちらもLIモデルでみられる直線的なデザインのボウルではなく、前出のプレートがそのまま深くくぼんだようなデザインになっています。
Siena、BODEGA等のライン・デコレーションのシリーズが多く採用しているモデルです・・・ といいたいところですが、よく見比べてみると、ラインがひかれた平らの縁部分はひとまわり広く、サイズも大きく堂々としています。
製造時期の違いというには差がありますから、Terra専用にデザインされたものではないでしょうか。




Terra

Bodega

Siena

マウスポインタを画像に重ねてご覧下さい。
Terra Bodega








cream &
Sugar

今回のTerraのご紹介で、一番興味深いことの一つがシュガーポット&クリーマー(S/C)のデザインでした。
幸運にも2種類のセットを見比べることが出来て、これまで知らなかったいろいろな発見がありました。
Terraはシンプルなデコレーションですので、いつものプリントと考えがちですが、ひとつずつ手作業で丁寧に描かれた、継ぎ目のない丁寧な造りになっています。
一つ目のS/CはいつものLIモデルのS/Cですが、バックプリントにはハンドメイドを意味する言葉が加えられています。
その他のLiのS/Cと比べて、一風変わった佇まいがあります。
もう一つは、なみだ型の高台をもつ珍しいもので、高さを抑えたすそ広がりのクリーマーが印象的です。
バックプリントはこのS/Cのみ社名メークと必要事項だけの簡素なものですが、ラインはやはりハンドメイドです。
このS/Cの直線的なデザインと、Terraの黒と茶のクールなラインの組み合わせは最高で、一番のお気に入りになってしまいました。
>> マウスポインタを画像に重ねてご覧下さい。








Oval

黒と茶のラインの組み合わせは引き締まった直線的な印象になりますので、それがTerraの特徴としてお話してきましたが、このボウルを見た瞬間、その考えはなくなってしまいました。
手書きならではの柔らかいタッチでひかれた2色のラインが、「丸み」を強調しているように見えたからでした。
LIDOの同じ手書きのボウルと比べてみると、同じように2色のラインで描かれていてもイメージが違ってくることがわかります。
Terraの場合、ラインの間の白い余白がここでも効果的にはたらいて、配色による重さに軽快さを加えてバランスをとっています。
Terraの楕円型のシリーズはこの小ぶりなボウル以外に、プレートや30cmをこえる大きなプラッターなど様々な展開がされています。
ここでOval(楕円)をTerraの注目点に加えたいと思います。








Original & Variation

以前からご紹介させていただいてたTerraのサラダボウル(?)です。
写真では小さく感じますが実は大きなボウルで、注ぎ口があります。
シリーズ中最も黒が占める割合が大きく、側面のほぼ全体が黒塗りされています。
バックプリントにはハンドメイドの文字があります。
こんなに広い曲面を手書きで塗るのは難しいと思いますが、深みのある黒でしっかり塗られていて、茶色の線も丁寧に注ぎ口のラインにきちんと沿って並んでいます。
その他のシリーズでは見かけないTerraならではのアイテムです。

一方、こちらは持ち手つきのピッチャーです。
PRUNUSでもみられるアイテム(北欧のカップ&ソーサーとなかまたち、P14)ですので、LIモデルの基本形なのでしょうか。
前出のサラダボウルとうってかわって、大きさのわりに細めのラインのみというデコレーション。余白の白がこのアイテムのポイントになっています。
眺めていると、このピッチャーも側面を黒塗りでデザインしたいと思ってしまうところですが、まるで子供のようにいろいろなチャレンジをしてゆく、旺盛な好奇心こそがStig Lindbergデザインの一番の魅力という気がします。








一つひとつを細かく見てゆきましたが、こうして集めてみると、見慣れたLIシリーズのバリエーションとは思えない落ち着きと気品を持ち合わせています。
配色のほとんどを占めている塗りつぶしの黒は、手法によって仕上がりの差がつけにくく、場合によっては、そのものを台無しにしてしまう危険性があります。
今回観察してきた「Terra」は、色としての黒をハンドメイドで丁寧に仕上げることによって深みを持たせ、ブラウンのラインで品良く華を添えたプレミアム感あふれるシリーズとなっています。

皆さまの食卓にもTerraを加えていただけたら、きっと今までなかった新しい趣を添えると思います。


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