◆ 60年代ごろまで世界的に流行した北欧のデザインでしたが、時代の移り変わりとともに忘れさられ、つい10年前ほど前までは語られることもなくなっていました。
そんな20世紀の遺産ともいえるミッドセンチュリー期の北欧デザインを発掘し、現在の再評価のきっかけを作ったのはアメリカのニューヨークにあったギャラリー「Gansevoot Gallery」で1998年に行われた展示会でした。
その展示会の名は「Nordic Moden Movement」。 今では伝説となっています。
現在では美術館の展示品として見るのがやっとというような貴重な作品が多数集められ、まさに始まりというにふさわしい内容でした。
この展示会のカタログからは展示会開催時の興奮と熱気が全く色あせることなく伝わってきます。
撮り下ろされた多数の美しいカラー写真によって出品された作品が紹介されていますが、その内容がすばらしく充実していて、作家の説明や背景の説明もされており資料としても十分なものです。
この展示会をみて北欧のデザインにのめり込んだ方は少なくないのではないでしょうか。
まさにもう一つの「原点」といえます。
北欧デザインのファンのみならず、美しい工芸をお好きな方にもお勧めしたい一冊です。
カタログの残部も限られており再版もされませんので、どうぞお気をつけください。

◆ 北欧の陶磁器やガラスの作品を知るために一番いい書籍は何がありますかという質問を現地のベテランバイヤーやその道の専門家にすると、必ずといっていいほどこの本の名前がかえってきます。
10年以上も前に出版された展示会のカタログですが、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェーまでも網羅したコレクションはただただ圧巻です。
アイテムの紹介はモノクロ 写真ではありますが、それぞれに簡潔な説明が添えられていて、この本をめくっているとなるほど北欧の陶磁器とガラス作品の全体像がつかめてきます。
巻末にはメーカーと作者についての索引がありますが、この索引だけでもこの本を手に入れる価値があるといっていた方もいるほどとてもよくまとまっていて、私たちもいつもお世話になっています。
この本との出会いがなければ13th floorもなかったかもしれない、まさにバイブルといえる1冊。
是非ご覧になってみてください。

◆ フィンランドの建築関連の書籍を専門にしている出版社のトランプです。
建築のスタイルをシンボルごとに4つに分類して、それぞれのスタイルの代表的な建築と建築家が紹介されています。
1から10まではそれぞれのスタイルを代表する建築が描かれていますが、 ジャック、クイーン、キングには、代表的な建築家がコミカルに描かれています。
特に7ならべでは、ゲームが終了した時点で世界中の建築作品と建築家が一望でき壮観です。
ゲーム中に絵柄が気になって集中できないことがあるのが難点ではあります。
建築がお好きな方へのプレゼントにもいかがでしょうか。

◆ デンマークの画家Bjorn Winbladのトランプです。
ブリッジを楽しめるように色の違う2組がセットで綺麗なケースに納められています。

◆ Gunner Asplund、Arne Jacobsen、Alvar Aalto、Finn Juhlなど、世界的に知られている北欧の建築家の手がけた住宅を美しい写真で紹介しています。
建物の外観や室内の紹介にとどまらず、ロケーションを感じとれるように工夫された写真も多く紹介されていて、その他の雑誌等で見慣れた著名な建物でも、新しい魅力を発見させられます。
どの建物も素晴らしすぎて目眩がしそうですが、実際に生活されている住居やサマーハウスですので、程よく生活感が感じ取れ、お部屋作りのヒントが沢山散りばめられた宝箱のようです。
この本は、本棚にしまっておくのではなく、リビングなどに置いていつも開けるようにしておいていただきたいと思います。
居心地のよい空間は見ているだけで、気持ちを癒してくれるものだと気がつかせてくれるはずです。
北欧のインテリアを愛するすべての方に是非手に取っていただきたい1冊です。

◆ 待ちに待った第2集が発行されました。第1集と比べるとより近代的な建築が多く掲載されていますが、期待を裏切らない素晴らしい内容です。写真の美しさはさらに際だっていて、写真集として純粋に楽しめます。
人生の楽しさが一つ増えたような幸せな気持ちにさせてくれます。

◆ 家具デザイナーとして有名なPoul Kjaeholmの妻であるHanneもまた、数多くの建物を手がけていますが、これまで、自邸以外はあまり目にする機会がありませんでした。
この写真集では、自邸をはじめデンマーク国内外の住宅、美術館等が紹介されています。
彼女の作りだした空間は、素材の良さが活かされた、実に居心地のよさそうなものばかりです。
紹介されている写真も「Scandinavian Modern Houses」同様にとても美しく、ただ眺めるだけでも存分に楽しめます。

◆世界中が待ち望んだスティグ・リンドバーグの作品集がついに発行されました。
これまで気が遠くなりそうなほど高価な古書や、細い切れぎれの糸を紡ぐようににして長い時間をかけて辿ってきた彼の足跡が、まるで色とりどりの宝石がちりばめられたような一冊の本になりました。
スウェーデン語版なのですが、インデックスやマークの図解など得られる情報も多く、掲載されている写真のほとんどがスタジオ撮影された美しいもので、実際に目にすることは出来ない貴重な作品の質感も感じることが出来ます。
水彩画やドローイング、アクセサリーと幅広く紹介されていて、アーティストとしてのリンドバーグに焦点当てた内容にになっています。
内容としてはとても充実していて、マニアも納得できる見ごたえのある作品集ですが、筆者の女性らしい配慮がされた明るいレイアウトで、だれでも気軽に手に取れ、楽しめる構成になっています。

◆ 楽しいサンタのプリントファブリックでお馴染みのJerry Roupeの絵本です。
ファブリックプリントについて、自身が描いた絵柄をふんだんに使って説明してあります。文章は少なく、ほとんどは可愛い絵柄で構成されています。巻末にはプリント方法と思われる説明もされています。
文章の内容が読めると本当に素晴らしいですが、絵柄のパターン集として眺めるだけでも十分に楽しめます。
Jerry Roupeの世界がギュッとつまった1冊です。